平日いかに家でリラックスして過ごせるか、
これは時間との戦いだ。
少し残業してスーパーに寄ったら
帰り着くのはもう二○時。
帰ってきて寝るだけの生活なんて味気ないから、
なんとしてもリラックスできる時間を作りたい。
そんな希望を叶えてくれる間取りに出会った。

パンプスは土間に、
コート、ジャケット、スカートも脱いで
ハンガーにかけておく。
腕時計やアクセサリーは外して棚に置いて、
仕事用のバッグはいつもの場所に。
ワイシャツやストッキングも脱いで、
さらっとしたゆるいリネンのルームウェアに袖を通す
この瞬間が最高なのだ。
そのまま洗濯物だけ持って洗面室に向かい、
洗濯機に放り込み手を洗う。

外のものは全部土間クロゼットに置いてきて、
手も洗い、清潔になった感じがして、
この瞬間にリラックスが訪れる。
軽くご飯を食べおなかも満たされて、
部屋着で過ごす何もしない一時間。
この時間が慌ただしい平日の中のオアシスで、
私を癒してくれるのだ。
ソファに腰かけてなんとなく雑誌をめくっていたら、
次の休みに行きたいレストランを発見。
さて、そろそろお風呂にはいろう。
今日はどのパジャマを着ようかな。

わたしを癒す、
部屋着のままの一時間

家に帰ってきたときや、寝起きで部屋を見渡したとき、
「ああ、しあわせ」と思う。

自分らしい暮らしをしたくて家を買った。
マンションなのにバックヤードがある家。
寝室よりも広い空間に、
たくさんの棚やハンガーパイプが
設置されている。そこには、洋服から日用品まで、
リビングに出したくないものをすべて詰め込んでいる。
箱買いした水はそのまましまえるし、
場所をとる防災リュックもここでいい。
見える収納だから、非常用の食料品も
忘れることなく期限前に消費できる。
必要なものを必要なだけ。
目に見えるから安心できる。

住みはじめて、
「広いから作業ができる」という良さに気づく。
放置しがちな洗濯物は、
いったんバックヤードに持ち込む。
シワになりやすいものはハンガーにかけたまましまえるし、
畳まなきゃいけないものは
そこで畳めばすぐに収納できる。
洗濯物を片付ける手間が減って、
自然と放置しなくなった。

おかげでお気に入りのインテリアで設えたリビングは、
いつも整然としていて気持ちがいい。
余裕のない日があったって、
いつもきれいなリビングが心の安定を保ってくれる。

表も裏もわたしらしく

土曜日の朝、いつもの時間に目を覚まして、
もう一度目を閉じる。
夢と現実の間を行き来しながらうとうとしていると、
部屋がだんだん明るくなってくるのを感じて、
寝返りを打ちながら幸せを噛み締める。
すっかり日が昇ってからやっとコーヒーを
淹れるために立ち上がると多少罪悪感はあるけれど、
一週間頑張った分好きなだけ眠れて満足感の方が大きい。
頑張って家を買おうと思い、
選んだのは「頑張らなくていい」間取り。
気持ちよくゴロゴロ過ごすためのプランは、
いつ寝てもいつ起きてもどんな生活リズムも
あたたかく肯定してくれる。

季節によって変えるベッドカバーは奥行きの
少し大きいクロゼットに収納できるようになっていて、
枕や掛ける毛布等もまとめて入れられてストレスがない。
寝る前は好きな香りのアロマを選んで焚きながら、
ベッドの前でストレッチ。
準備が整ったら、睡眠に悪いとは分かっていながらも
ベッドの上から大きな画面で映画を観るのが至福の時間。
そうして日曜日も二度寝してしまうのが私の幸せ。

二度寝の幸せ